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THE解説

高齢者骨折の特徴 上腕骨外科頸骨折

今回は前回紹介した高齢者の方に多い骨折の中から「上腕骨外科頸骨折」について解説したいと思います。

まず、上腕骨の外科頸部とは上腕骨の上部のところ(図1の赤い線の部分)で、この部分で骨折が起こったものを上腕骨外科頸骨折と言います。

発生機序は転倒時に手や肘をついた際に起こることが多いとされ、手や肘の着き方によって骨折の形態が変化し「外転型」と「内転型」の二つに分類されます。
外転型の場合、近位の骨は内方へ向き、遠位の骨は外方に向くような形になります。
内転型の場合は外転型の逆の形となり、近位の骨は外方へ、遠位の骨は内方へ向きます。(写真参照)

症状としては、骨折部の出血が著明に見られ血腫を形成します。そのため肩関節部が大きく腫れて見えます。また時間と共に皮下出血斑が上腕部から前胸部にかけて出現します。外転型骨折の場合は肩関節の前方脱臼と同じような外観となるため、注意が必要となります。さらに患部の自発痛や運動制限が著明に見られ、出血が多い時には貧血の症状も見られます。

処置は安静固定を行ったうえで経過観察をし、骨癒合(新しい骨が出来るまで)に4~6週間を必要としますが、高齢者の方の場合は長期間の固定による関節拘縮(関節が固まってしまうこと)が起こりやすいこともあり、拘縮を防ぐために関節の動きを制限しながら早期より運動療法を開始する必要があります。経過に合わせてアイロン体操などの運動を少しずつ行う事が重要です。

大きな骨になりますが発生する頻度は少なくありません。上記のような症状が確認出来た際には速かに専門医をお尋ねください。